【10月24日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は23日、トルコに科していた制裁の解除を表明した。また、シリアから米軍を突如撤退させた自身の決定を擁護し、「血に染まった」国をめぐる戦いは「ほかのだれかにやらせる」と述べた。

 トランプ氏はホワイトハウス(White House)での会見で、クルド人民兵組織「シリア民主軍(SDF)」のマズルム・アブディ(Mazloum Abdi)司令官との協議をちょうど終えたところだと説明。同司令官は「非常に感謝していた」と語った。

 トルコ政府は、今月9日に開始したシリア侵攻について、クルド人武装勢力の侵入を防ぐ非常線を張ることが目的と説明している。トルコはクルド人武装勢力をテロリストとみなし、トルコ国内のクルド系反政府勢力とつながりがあるとみている。

 トルコの軍事作戦は以前から計画されていたものの、トランプ氏が米軍の撤退を表明したことにより初めて可能となった。シリアの米軍部隊はイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の掃討作戦でクルド人部隊と密接に協力してきており、規模は小さいものの政治的に重要な意義を持っていた。

 共和・民主両党からクルド人を裏切ったとの批判を受けたトランプ氏は今月14日、トルコに対し制裁を発動。さらにマイク・ペンス(Mike Pence)副大統領らをトルコに派遣し、クルド人に撤退の猶予を与えるための短期間の停戦に応じるようレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領を説得した。

 SDFの報道官はツイッター(Twitter)に、マズルム司令官がトランプ氏に対し「われわれに対するトルコの残虐な攻撃と過激派組織を阻止した不断の努力」への謝意を表明したと投稿した。(c)AFP/Sebastian Smith