【10月23日 AFP】タイ当局は22日、農家らの反対にもかかわらず、除草剤グリホサートを含む3種類の農薬の使用を禁止することを決めた。

 米と砂糖の主要輸出国であるタイは「世界の台所」になることを目指しており、人口の40%は農業従事者だ。

 一方で同国は、さまざま疾患との関連から世界各国で禁止されたり、段階的に減らされたりしている農薬の世界有数の消費国でもある。

 タイ当局によると国家有害物質委員会は、除草剤のグリホサートとパラコート、さらに殺虫剤のクロルピリホスの禁止案を採択した。
 
 同委員長を務める工業省のパヌワット・トリヤーングーンスリー(Panuwat Triangjulsri)氏は記者らに対し、これらの農薬は12月1日から禁止されると述べた。

 問題の農薬は人々の命を危険にさらすと主張していたタイの保健相は自身のフェイスブック(Facebook)で、使用禁止の決定を「勇敢だ」と称賛した。

 一方、農家などからは、生産コストが増加するとして使用禁止に反対する声が上がっていた。東部チャンタブリ(Chanthaburi)県の農協組合員は「雑草を取り除くためにこれらの農薬を使えないのなら、より多くの労働力が必要になる」と話し、今回の決定を「不公平」だと評した。

 問題の農薬の禁止を長年訴えてきた団体「タイ農薬警告ネットワーク(Thailand's Pesticide Alert Network)」は政府に感謝の意を表しつつ、農家らが別の方法に移行できるよう政府の援助が必要だと付け加えた。(c)AFP