【10月24日 Xinhua News】海外で中国語教育機関を運営する「孔子学院」本部(中国北京市)が管轄する中国語試験サービス企業の漢考国際教育科技と、日本で中国政府公認の中国語検定試験「HSK(漢語水平考試)」を運営する日本青少年育成協会はこのほど、東京で「第4回HSK中国留学・就職フェア」を開催した。約1500人がHSKの試験を受験したほか、学生数百人が留学説明会や就職説明会に参加した。

 フェアに出席した在日中国大使館教育処の胡志平(Hu Zhiping)公使参事官は「日本人にとって中国語は今や個人的な興味や趣味にとどまらず、キャリア形成に関わる重要な能力となっている」と指摘。「ますます多くの大学で中国語の課程が開設され、民間の中国語教育も活発になっている。特に孔子学院は日本での中国語教育で大きな役割を発揮している」と述べた。

 2010年に7000人余りだったHSKの受験者は、現在約4万人まで増えている。受験者はこの10年近く、毎年増加しており、日本全国で中国語ブームが起きている。

 大学生は中国語を積極的に学ぶことで、就職活動の幅を広げようとしている。就職フェアでは、中国宅配大手、順豊控股(SFホールディング、SF Holding)の日本支社順豊エクスプレス(株)のブースも学生で満員となった。帝京大学(Teikyo University)3年生の前川雄大さんは「大学1年から中国語を学んでいる。中国経済は発展が早く、日中双方で活動する企業への就職機会も今後は増えるはず。中国語や中国に関わる仕事に就きたい」と語った。

 武蔵野大学(Musashino University)孔子学院で中国側院長を務める劉勇(Liu Yong)氏によると、同大学では現在数百人の学生が中国語を履修しており、さらに太極拳や書法を通じて中国文化への理解を深めている。特に中国への旅行や研修プロジェクトは、学生らの中国への好感度をますます高めているという。

 社会人も中国語学習を続け、旬の中国を知ろうとしている。東京の西池袋公園内では2007年8月5日から現在までの12年間、毎週日曜日の午後に数十人から100人程度の日本人と中国人が集い、中国語と日本語で相互交流をしている。

 67歳の根津美紀さんは「漢語角(中国語サロン)が気に入り、時間があればここに来てみんなと交流している。言葉よりも最新の中国の情報や文化に関する収穫が多い。誠実な中国人の友人もいる」と話す。

 東京漢語角の創始者、日本僑報出版社の段耀中(Duan Yaozhong)社長は、漢語角が「日本人と中国人が心から交流できる場になった」と語る。

「国の交わりは民の相親しむに在り」という言葉のとおり、言語は両国民が交流するための受け皿であり、「民の相親しむ」を体現し、「国の交わり」の懸け橋となる。ますます多くの日本の若者が中国語学習を通じて中国と真摯な友情を結び、中日交流の懸け橋が一層堅固になることを期待する。(c)Xinhua News/AFPBB News