【10月23日 AFP】米大リーグ(MLB)のア・リーグ王者、ヒューストン・アストロズ(Houston Astros)のリーグ優勝決定後の祝勝会で起こった出来事が波紋を呼んでいる。

 祝勝会では、守護神のロベルト・オスーナ(Roberto Osuna)が以前、ドメスティックバイオレンス(DV)で出場停止処分を科されていたことに関連して、チーム幹部が女性報道陣に怒鳴ったという報道が出ており、当該幹部が謝罪を強いられただけでなく、MLBが調査に乗り出すことを発表する事態になっている。

 この件を報じたスポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)誌によると、ロッカールームで行われた祝勝会で、チームのアシスタント・ゼネラルマネジャー(GM)を務めるブランドン・トーブマン(Brandon Taubman)氏が自分から女性記者たちに向き直り、「オスーナを取っておいて良かったよ。オスーナがいてくれて最高にうれしいね」と6回叫んだという。記者の1人は、DV防止啓発ブレスレットを着けていた。

 オスーナはトロント・ブルージェイズ(Toronto Blue Jays)に所属していた2018年、当時3歳の子どもがいた母親に暴力を振るったとして、75試合の出場停止を科されたが、アストロズは出場停止期間中にもかかわらずオスーナを獲得。リーグ優勝を決めた19日のニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)戦でもマウンドに送り出していた。

 トーブマン氏は3人の女性記者に叫んだことを認め、22日に「先週の土曜日(19日)、クラブハウスで行われた祝勝会で、不適切な言葉を使ったことを深く後悔し、恥ずかしく思っている。私の言葉はプロフェッショナルではなく、不適切だった」と謝罪した。

 他にもチームスタッフ1人が女性記者たちに叫んだことを謝罪しているが、トーブマン氏は、スポーツ・イラストレイテッドが言うようなDVとの闘いを「後退させる態度」を取ったことは否定している。

 アストロズは当初、「誤解を招く非常に無責任な記事」だとしてスポーツ・イラストレイテッドの報道を否定し、トーブマン氏は、「プレーについて厳しい質問をされた」選手に助け舟を出しただけだと主張していた。

 ところがその後、地元紙ヒューストン・クロニクル(Houston Chronicle)が、他の記者もスポーツ・イラストレイテッドの見解を支持していると報じ、トーブマン氏が叫んだときにインタビューを受けていた選手はおらず、コメントは女性記者たちに向けたものだったと伝えていた。

 アストロズは22日から、ナ・リーグ王者のワシントン・ナショナルズ(Washington Nationals)とのワールドシリーズに臨んでいる。(c)AFP/Jim SLATER