【12月21日 AFP】トラック運転手のフランセルさんは、ブラジルの熱帯雨林アマゾン(Amazon)を貫く幹線道路を往復しながら大豆やトウモロコシを港に運んでいる。こうした仕事は数か月間にわたって続くという。

 6年前からこの仕事をしているというフランセルさんは、主要輸送ルートBR230号線やBR163号線を定期的に利用する数多くのトラック運転手のうちの一人だ。世界最大の熱帯雨林は今年、大規模な火災に見舞われているが、こうした幹線道路のようなインフラ整備も熱帯雨林の破壊に大きく関わってきた。

 幹線道路の大部分は2車線だ。だが、さまざまな障害物──幅1メートルほどの大きな穴、激しい凹凸、今にも崩れ落ちそうな木でできた橋、未舗装部分で立ち上るひどい土煙──が、ドライバーたちの行く手を阻む。

 しかし近年、こうした過酷な状況に変化が訪れている。

 低迷するブラジル経済を立て直そうと、同国のジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領がアマゾンの開発に前向きの姿勢を示しているのだ。そのうちの一つが、BR163号線の1770キロ分、ブラジルの大穀倉地帯となった中西部マトグロソ(Mato Grosso)州の州都クイアバ(Cuiaba)から北方のサンタレン(Santarem)までの区間に残っている未舗装の工事を今年中に終わらせるという計画だ。

 この他にも、大西洋の沿岸都市ジョアンペソア(Joao Pessoa)から熱帯雨林を横断して西部ラブレア(Labrea)へと延びる4000キロ超のBR230号線、別名アマゾン横断道路(Trans-Amazonian Highway)でも舗装工事があちこちで行われている。

 こうした幹線道路には、30トンの穀物を積むトレーラーがかろうじて通過することのできる木造1車線の橋が複数あるが、これらの橋についてもコンクリート製のものに造り替えられる予定だという。