【10月22日 AFP】内部告発サイト「ウィキリークス(Wikileaks)」創設者のジュリアン・アサンジ(Julian Assange)被告(48)が21日、米国への身柄引き渡しをめぐる審理を前に英裁判所に出廷し、半年ぶりに公の場に姿を現した。同被告は衰弱し、困惑した様子だった。

 米国がスパイ活動取締法違反の罪でアサンジ被告を起訴し、身柄引き渡しを求める中、同被告はウェストミンスター治安判事裁判所(Westminster Magistrates' Court)で証人席に座った。

 アサンジ被告はひげをそり、ブルーのジャケットとジャンパーに色の濃いズボンという小ぎれいな装いだったが、証言を求められるたびに困惑したように見え、自分の生年月日を思い出すのも困難な様子だった。

 審問終了後、バネッサ・バライスター(Vanessa Baraitser)判事は、アサンジ被告は法廷内で何が起きているのか理解していなかったと語った。

 アサンジ被告が公の場に姿を現したのは今年4月、7年間にわたり籠城していた在英エクアドル大使館での逮捕劇以来となった。

 米国が起訴したすべての罪で有罪となった場合、アサンジ被告には最高禁錮175年が言い渡される可能性がある。

 バライスター判事は、証拠収集のための時間を求めるアサンジ被告弁護団の要請を拒否し、来年2月から本格始動する引き渡し審理を前に、次の審問を12月19日に実施すると通告した。

 アサンジ被告は2010年、アフガニスタンとイラクでの米国の空爆作戦に関する軍事・外交機密文書をウィキリークスを通じて公開。米政府を窮地に立たせた。(c)AFP/James PHEBY