【10月22日 AFP】米国は21日、欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)の加盟国であるバルト海沿岸のリトアニアに、兵士約500人と戦車数十台を含む大隊を派遣した。ローテーション派遣の一環で、6か月間駐留する。これはリトアニアが隣国ロシアへのけん制のため求めていた措置で、今回初めて実施された。

 リトアニアのライムンダス・カロブリス(Raimundas Karoblis)国防相は今回の米兵派遣について、NATO圏東端への米軍駐留が「もはやタブーではない」ことを証明する動きだと述べた。

 同国防相はAFPに対し、派遣は「何よりもまず、同盟国は共にあるという、リトアニアと近隣のNATO加盟国へのメッセージ」だとした上で、「米国が関与していることを示すロシアへのメッセージでもあり、追加的な抑止要因でもある」と言明した。

 リトアニアは人口約280万人。NATOは2年前、兵士約1000人からなるドイツ主導の多国籍大隊を同国に派遣した。ロシアが2014年にウクライナからクリミア(Crimea)半島を併合したことを受け、NATOは地域におけるロシアの冒険主義的な動きを警戒。ポーランドや、バルト海沿岸のエストニアとラトビアにも同様の大隊を駐留させている。

 第2次世界大戦(World War II)後、これらの国々は40年余りソビエト連邦の支配下にあった。(c)AFP