【10月26日 CNS】中国の化粧品の消費量は、2013年に日本を抜いて世界第2位となった。人々はますます外観を気にするようになり、甚だしきに至っては「外観こそが正義」と言ってはばからない。「外観エコノミー」の時代では、男女を問わず化粧は人々の生活に不可欠のニーズとなっている。ある機構の統計によると、2019年の中国全土の化粧品の販売額は2700億元(約4兆1440億円)を超えたという。

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 最大の男性化粧品ブランドとされるMMUK MANによると、2017年の全世界の男性用化粧品の販売規模は4000億元(約6兆1400億円)に達し、2023年には5400億元(約8兆2900億円)まで拡大する可能性があるとしている。

 化粧品の消費需要は、男女を問わず急速に成長している。製薬会社もこのおいしいビジネスを逃さない。華熙生物科技(BLOOMAGE BIOTECHNOLOGY)は2018年末、故宮博物院(The Palace Museum)と共同で「故宮口紅」シリーズを発売し、大評判となる。2019年には痔薬で有名な老舗製薬会社「馬應龍薬業集団(Mayinglong Pharmaceutical Group)」も化粧品に進出、3種の口紅製品を発売した。直近では皮膚炎の薬で有名な「華潤三九(CR SANJIU)」が公式旗艦店で3種の口紅製品を発売したところだ。

 欧米の世界的化粧品ブランドが自身の陣地を死守するなか、中国国産の化粧品は徐々にではあるが頭角を現し始めている。

 2018年の天猫(Tmall)「双11(独身の日)」商戦で、中国国産の新興化粧品ブランド「完美日記(Perfect Diary)」は8時間で売り上げ1億元(約15億円)を突破、同商戦の化粧品シェア3.3%を占め、単品販売数は200万個を超えた。このほか同商戦で売れ行きの良かった中国ブランドは「稚優泉(CHIOTURE)」「瑪麗黛佳(Marie Dalgar)」などだ。

 しかし、中国ブランドの化粧品は価格的には安いが、質的には似たり寄ったりで、テクノロジーのレベルは高くない。現状では、中国の化粧品企業の研究開発への投資が少なく、多くの製品は海外ブランドの模倣に留まり、創意に欠ける。

 中国の化粧品業界には、化粧品の専門的人材がいないことも国産化粧品の発展を制約する要因となっている。海外の化粧品ブランドとの過酷な競争の中で力不足は否めない。(c)CNS-工人日報/JCM/AFPBB News