【10月23日 Xinhua News】中国浙江省(Zhejiang)の食肉加工品メーカー、金字火腿と米化学大手ダウ・デュポン(DowDupont)子会社のデュポン・ニュートリション&バイオサイエンスはこのほど、動物肉の食感に似た植物由来肉食品(植物肉)を共同発表した。

 金字火腿の馬暁鐘(Ma Xiaozhong)チーフエンジニアによると、植物肉の全成分は植物由来で、主要原料は大豆やエンドウ、小麦などの植物から抽出した植物タンパク質。先進的食品加工により、栄養分、食感、風味を動物肉に似せた植物由来の人工肉だ。

 単価118元(1元=約15円)の植物肉ハンバーグ1000個を発売したところ、わずか9日で中国電子商取引大手・アリババグループの通販サイト「天猫(Tmall)」で完売となった。

 馬氏によると、植物肉は食品科学の多くの分野と関連するが、主に鍵となる二つの技術と関係がある。一つは、かむと本物の肉のような食感にする必要がある。二つ目は肉のような味にしなけらばならない。

 ビートルート・レッドなどの植物由来色素を入れて肉の色を出し、グアーガムなどの食品添加物を入れて肉の食感を作り、そしゃく感、弾力性、ジューシー感、色、味などをできる限り動物肉に近づける。

 馬氏は、植物タンパク質を植物肉に仕上げる技術を持つデュポンと、調理や風味で強みがある中国企業の提携で、植物肉を市場により受け入れられやすくできると述べた。

 デュポン・ニュートリション&バイオサイエンス中国研究開発センターの曹健(Cao Jian)博士によると、植物肉は消費者の選択肢を増やす一方、環境保護にも貢献する。世界の温室効果ガスの51%は畜産業と肉加工産業からで、世界の土地面積の45%は畜産業に利用されている。牛肉と比べ、植物由来の人工肉を製造する場合、水の99%、土地の93%、エネルギーの46%を節約できるという。

 米調査会社マーケッツ&マーケッツは2019年、世界の植物由来の人工肉市場規模は約121億ドル(1ドル=約109円)で、今後、毎年15%の複合伸び率で成長、25年に279億ドルに達すると予測した。(c)Xinhua News/AFPBB News