【10月21日 AFP】インドとパキスタンが領有権を争うカシミール(Kashmir)地方の国境地帯で20日、砲撃の応酬があり、両国当局によれば少なくとも10人が死亡した。両国は、いわゆる実効支配線(Line of Control)を越えて攻撃を仕掛けてきたのは相手の軍だと非難し合っている。

 共に核保有国の印パ間では、8月5日にインド政府がカシミールのインド支配地域ジャム・カシミール(Jammu and Kashmir)州の特別自治権を剥奪し、騒乱を抑え込むため移動や通信を制限したことを受け、緊張が激化している。

 インド軍の報道官は20日、AFPに対し、カシミールの山岳地帯クプワラ(Kupwara)地区で「パキスタン側からの理不尽な砲撃」により家屋数軒が破壊され、兵士2人と民間人1人が死亡、民間人3人が負傷したと述べた。

 インド軍司令官は、報復として「テロリストの拠点」をたたくため越境砲撃を行い、「テロリストのインフラに深刻な打撃を与えた」とPTI通信(Press Trust of India)に語った。

 一方のパキスタン政府は、インド軍が民間人を標的にしたと非難。パキスタン外務省は実効支配線付近で6人が死亡、女性や子どもを含む数人が重傷を負ったと主張している。また、パキスタン軍兵士1人も死亡し、パキスタン側の死者は計7人だとしている。(c)AFP