【10月20日 AFP】南米のサーカスで数十年もの間使われてきたアジアゾウが、チリからブラジルに移送され、保護区での新生活をスタートさせた。

「ランバ(Ramba)」という名前の雌のゾウは18日夜、ブラジル中西部マトグロソ(Mato Grosso)州にある保護区に到着。その様子は、18日にフェイスブック(Facebook)でライブ配信され、多くの人が視聴した。

 ランバは推定52歳超で、アルゼンチンとチリのサーカスに長年出演し、2012年に動物愛護活動家らによって保護された。

 その後チリ中部ランカグア(Rancagua)にある動物園に預けられ、活動家らが新たな引き受け先を探していた。サーカスでの過酷な生活により、ランバは膿瘍(のうよう)を抱え、腎臓や肝臓にも問題があった。

 ランバはマトグロソ州シャパダドスギマランイス(Chapada dos Guimaraes)にあるゾウ保護区に移送され、同じく以前サーカスで使われていた雌のアジアゾウ「ラナ(Rana)」と「マイア(Maia)」と対面した。1133ヘクタールの面積を有するこの保護区は、米国に本拠を置く動物愛護団体グローバル・サンクチュアリー・フォー・エレファンツ(GSE)の支援を受け、南米初のゾウの保護区として2016年に開設された。

 GSEのスコット・ブレイス(Scott Blais)代表は、「ランバには静かな場所、安心を感じ見せ物にされず、真に理解し心をしっかり開かせてくれる仲間に囲まれた場所が必要だ」と述べた。(c)AFP