【10月20日 AFP】ナイジェリア北部カドゥナ(Kaduna)州の警察当局は今週、イスラム教の寄宿学校で虐待を受けていた147人を救出した。地元当局がAFPに明らかにした。警察による同様の捜査はここ1か月で4度目。

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 カドゥナ州の女性問題担当部局のハフサット・ババ(Hafsat Baba)局長によると、武装警察がカドゥナ州リガサ(Rigasa)地区にある寄宿学校を強制捜査したところ、校内で寄宿生らを発見。「寄宿生全員は鎖につながれた状態で発見され、殴打されていた。その中に女性22人が含まれており、その一部は性的虐待を受けたと訴えていた」と述べた。

 また同局長によると、寄宿生らは「万引きや非行、薬物依存」のため家族によってこの学校に連れてこられたといい、一部は精神的な問題や精神不安定があった。救出された147人の中には、カメルーン人2人とニジェールの出身者2人に加え、子ども4人が含まれていたという。

 ナイジェリアでは先月、警察当局が同じ地域にある同様の寄宿学校から300人超の男子学生を救出。この学生たちもまた、拷問され、性的虐待を受けていたと明かしていた。

 この救出をきっかけに、警察当局は今週、隣接するカツィナ(Katsina)州にある寄宿学校2か所でも強制捜査を実施。当局によると、400人以上の男子学生を救出していた。

 ナイジェリア北部では薬物使用率が高い一方、リハビリ施設が不足している。このため、薬物依存症になった子どもの親たちは仕方なく、事実上の矯正施設となっているイスラム学校へ子どもを入学させるが、学生たちはそこで虐待の対象となっている。(c)AFP