【10月20日 AFP】ラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)は20日、準々決勝が行われ、日本は3-26で南アフリカに敗れた。日本の4強入りの夢を打ち砕いた南アフリカは、直近の試合で4連敗中の難敵ウェールズとの準決勝に挑む。

 南アフリカのWTBマカゾレ・マピンピ(Makazole Mapimpi)の2トライは、アジア初のW杯となった今大会を熱狂させる快進撃を続け、世界からも尊敬を集めたブレイブブロッサムズ(Brave Blossoms、日本代表の愛称)の心を折るものとなった。

 日本は前回大会で南アフリカを34-32で破り、「ブライトン(Brighton)の奇跡」と呼ばれる大番狂わせを成し遂げたが、東京スタジアム(Tokyo Stadium)で行われたこの試合は、2回の優勝を誇る南アフリカにとっては難しいものではなかった。

 この結果、南アフリカは4強入りが決定。同日の試合で、退場者を出して14人となったフランスを20-19で下したウェールズとの準決勝に臨む。

 1995年と2007年に優勝しているスプリングボクス(Springboks、南アフリカ代表の愛称)は、今大会を制し、12年ごとに優勝するという周期をさらに伸ばそうとしている。

 スプリングボクスは試合開始わずか3分、力強いスクラムの突進からマピンピがトライを決め先制した。

 プレッシャーにさらされた日本のFW陣だったが、テンダイ・ムタワリラ(Tendai Mtawarira)が稲垣啓太(Keita Inagaki)をタックルでひっくり返してイエローカードを受けたことで、10分間は一息つくことができた。

 熱狂的な観客からの「ニッポン!ニッポン!」の声援を受ける中、日本は攻めに出るものの14人の南アフリカの強烈なタックルにこれを阻まれたが、20分にはスクラムからペナルティーを獲得し、田村優(Yu Tamura)がペナルティーゴールを決め3-5と点差を詰めた。

 そのままの点差でハーフタイムを迎えた南アフリカだったが、後半10分を前にハンドレ・ポラード(Handre Pollard)が2本のペナルティーゴールを決め、遠征してきたサポーターの心を落ち着かせた。

 それでも南アフリカは突き放すことができず、ポラードがペナルティーをミスしたことで後半17分の時点では8点差と日本は試合に踏みとどまっていた。

 しかし、ポラードはその後、ファフ・デクラーク(Faf de Klerk)へのハイタックルで得たペナルティーを蹴り込んで点差を広げると、南アフリカはさらにモールでほぼフィールドの半分を進み、最後は神出鬼没のデクラークが試合の行方を決定付けるトライを決めた。

 さらに南アフリカは、残り10分となるところでマピンピがこの日2本目のトライを挙げ、さらに点差を広げた。

 日本のジェイミー・ジョセフ(Jamie Joseph)ヘッドコーチ(HC)は試合後「このW杯で成し遂げたことを非常に誇りに思う。選手たちはチームのために、国のために多くを尽くしてくれただけに、とにかく残念だ」と振り返った。

 敗れた日本だが、チームは国民を鼓舞するとともに世界ランキングでは6位に浮上。ラグビー界からの称賛と尊敬を集めており、大きな誇りを胸にこの大会を振り返ることができる。(c)AFP/Richard CARTER