【10月20日 AFP】19日のラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)準々決勝でイングランドに敗れたオーストラリア代表について、国内メディアは「屈辱的」なベスト8敗退で「暗闇に逆戻りした」とマイク・チェイカ(Michael Cheika)ヘッドコーチ(HC)の即時退任を求めている。

 オーストラリアはボールを保持しながら自陣を出ることにこだわって自滅し、結局1トライしか奪えずに16-40で完敗。4トライを奪ってニュージーランドとの楽しみな準決勝に駒を進めた相手とは対照的に、イングランド戦の連敗も7試合に伸び、長年チームを支えたウィル・ゲニア(Will Genia)とセコペ・ケプ(Sekope Kepu)、またデビッド・ポーコック(David Pocock)やサム・ケレヴィ(Samu Kerevi)ら、海外移籍や引退の決まっている8選手にとっては苦い代表最終戦となった。

 昨季はテストマッチ13試合でわずか4勝と悲惨なシーズンを過ごし、かろうじて解任を逃れたチェイカHCも、チームを去るとみられている。今年限りで代表との契約が切れる指揮官は、試合後には「思いやり」を求めて続投に含みを持たせたが、以前からW杯で優勝できなければ指揮官の座を降りると示唆していた。

 現地紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)は、イングランド戦を「公開処刑」と評し、ワラビーズ(Wallabies、オーストラリア代表の愛称)は後退したとコメント。良いところのなかったW杯の戦いで、チェイカHCの計画は「失敗だということがあらわになった」と報じた。

 同紙のラグビー担当記者は「マイケル・チェイカの頑固さが、優柔不断な性格と選手への信頼欠如と相まって、ワラビーズはばらばらの集団に堕した」とつづった。

 豪FOXスポーツ(Fox Sports)も手厳しく、「知性なき情熱がチェイカ政権の代名詞となる運命だったようだ」と論評。シドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald)紙も退任を求める輪に加わり、「監督は数日中に退任し、再建に向けて甲板をきれいにすべきだ」「この選手たちならもっと良い結果を残せたはずだが、今季のワラビーズは実験の連続という印象しかない。それでも正しい人がかじを取れば、未来は明るいものになる可能性がある」と述べた。

 後任については、現在スコットランドのクラブチームを指揮するニュージーランド出身のデイブ・レニー(Dave Rennie)HCが最有力候補と目されている。(c)AFP