【10月19日 AFP】パキスタンを訪問していた英国のウィリアム王子(Prince William)と妻のキャサリン妃(Catherine, Duchess of Cambridge)は18日、同国を出発して帰途に就いた。夫妻は前日、英王立空軍(RAF)機でラホール(Lahore)から首都イスラマバードに飛行機で向かったが、激しい雷雨に見舞われてパイロットが着陸を2回も断念するほどの「恐怖」のフライトも体験した。

 17日夜、ウィリアム王子夫妻を乗せてラホールから約270キロ離れたイスラマバードに向かっていたRAF機ボイジャー(Voyager)は、同行していたベテランの外国特派員らも、これほどの揺れは経験したことがないと口をそろえるほどの乱気流に巻き込まれた。

 大衆朝刊紙デーリー・メール(Daily Mail)の王室担当記者、レベッカ・イングリッシュ(Rebecca English)氏は17日夜、「かなりがたがた揺れた」というキャサリン妃の発言を引用しながら、「パイロットは1時間にわたって旋回していたが、雷と乱気流がひどく、引き返さなければならなかった」とツイッター(Twitter)に投稿。また、同乗していた英民放ITVの王室担当、クリス・シップ(Chris Ship)記者は、「正直に言えば、飛行機に乗ってあんなに緊張したことはなかった」と語っている。

 報道によると、パイロットは2度着陸を試みたが──イスラマバードに近い軍事都市ラワルピンディ(Rawalpindi)の基地と、イスラマバード空港(Islamabad International Airport)──10月のイスラマバードは雷雨に見舞われることが多く、今回の暴風雨はその中でも最強レベルだった。

 同行した報道陣によると、飛行機がイスラマバードから引き返してラホールに着陸すると、駐パキスタンの英高等弁務官らは王子夫妻および、同行している約100人の滞在先を緊急確保。ラホールの五つ星ホテルで一晩過ごした一行は翌朝、無事にイスラマバードに戻り、何とか予定通り、軍用犬が爆弾探知の訓練を受けている施設を訪問した。

 暴風雨のハプニングに夫妻がめげていた様子はなく、報道陣によると、救急ヘリのパイロットでもあったウィリアム王子は17日の着陸後、記者団の元に向かうと、飛行機を操縦していたのは自分だとジョークを飛ばしたという。(c)AFP