【10月19日 AFP】サッカーブルガリア代表のクラシミール・バラコフ(Krasimir Balakov)監督は18日、人種差別行為により猛抗議を引き起こした欧州選手権(UEFA Euro 2020)予選のイングランド戦でチームが0-6で敗れた責任を取り、指揮官を辞任した。

 ブルガリアの首都ソフィアで行われた14日の一戦では、同国ファンが試合中にモンキーチャント(猿の鳴きまね)やナチス・ドイツ(Nazi)式のような敬礼をし、サッカー界を憤慨させた。この件をめぐっては、同国サッカー連盟(BFU)のボリスラフ・ミハイロフ(Borislav Mihaylov)会長が先日辞任に追い込まれた。

 5月に母国代表の指揮官に就任したバラコフ監督は、BFU理事会の会合で辞表を提出したと報道陣に明かし、「私がブルガリアサッカーの問題であるならば、辞表を提出すると話した。もう後戻りすることはない」と述べた。

「状況は全く楽観できない中で、次の監督の成功を祈っている。イングランド戦での人種差別行為が(辞任の)決定打となった」

 問題の試合では人種差別行為により前半に2度の中断があったが、イングランドの選手はピッチを去らずに最後までプレーした。現役時代には母国代表のMFとしてプレーした53歳のバラコフ監督は試合の翌日、今回の出来事についてイングランドの選手に謝罪した。

 欧州選手権の予選でここまで1勝もできずに4敗3分けの成績に沈み、グループA最下位となっているブルガリアは、来月17日にホームでチェコとの最終戦に臨む。(c)AFP/Diana SIMEONOVA