【10月19日 AFP】シリア北部では、停戦合意後の18日も散発的な戦闘が続いている。トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、クルド人勢力が国境付近の「安全地帯」から撤退しなければ、軍事作戦の全面再開も辞さないと警告した。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は、エルドアン大統領との電話会談で、現地では「小規模な狙撃や迫撃砲攻撃があった」ものの直ちに鎮圧されたと伝えられたと説明。エルドアン氏が「停戦、あるいは(軍事作戦の)停止を機能させたいと強く思っている」と表明したことを明らかにした。

 だがクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」のムスタファ・バリ(Mustefa Bali)報道官は、トルコが停戦合意に違反したと主張。戦場となっているシリア北東部の国境の町ラスアルアイン(Ras al-Ain)では空爆や砲撃が続いていると述べた。

 トルコは、国境地域を自国の管理下に置き「安全地帯」とすることを目指している。マイク・ペンス(Mike Pence)米副大統領による17日のトルコ訪問時に交わされた合意では、同地域からクルド人部隊を撤退させるための5日間の停戦実施が定められた。

 エルドアン大統領はイスタンブールで記者会見し、「約束が15日夜まで守られれば、安全地帯の問題は解決される。もし失敗すれば、作戦は(中略)120時間の経過後、直ちに開始される」と述べた。

 停戦はトルコの主要占領目標を戦わずして達成することが目的とみられていたが、トルコ側につくシリア勢力とクルド人勢力の間では18日も衝突が継続。英国に拠点を置くシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、バブアルヘイル(Bab al-Kheir)村周辺ではトルコの空爆とトルコ側のシリア武装勢力による迫撃砲攻撃で民間人14人とSDF戦闘員8人が死亡した。(c)AFP/Delil Souleiman