【10月23日 CNS】中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)では2016年以来、健康と貧困対策としてのべ120億元(約1840億円)を投入してきた。現時点で、同地区における疾病による貧困者は15万人足らずで、2018年末と比べて約9万人減っている。これにより「疾病による貧困」問題は改善されつつある。

 今月15日に行われた同自治区の健康貧困改善に関する記者会見で、衛生健康委員会のムタリフ・ローツ(Mutalifu Rouzi)主任は、新疆では貧困者を対象とし、基本医療保険と大病保険と医療救助・補充医療保険という「三重保障」を実行し、貧困者の医療負担を軽減していると語った。

 今年の上半期、新疆ウイグル自治区の貧困者の基本医療保険への参加率は100%に達した。貧困者の大病専門救済制度の対象となる疾病は当初の7類9種から32種へと拡大し、特別困難者や生活保護対象者に対する大病保険の最低給付ラインを50%引き下げ、負担率を60%まで引き上げたとしている。

 同自治区の今年の医療救助資金は24億元(約370億円)を超え、そのうち約20億元(約300億円)は特別貧困地区――新疆南部のアクス(Aksu)、ホータン(Hotan)、カシュガル(Kashgar)とクズルス・キルギス(Kizilsu Kirghiz)自治州の4地区で使われている。この4地区にある22の特別貧困県の計160万人の特別貧困者が補充医療保険を利用しており、これら一連の措置により「三重保障」が確保され、諸制度を合わせると保険による負担率は95%に達し、保障不足や保障し過ぎを回避している。

 新疆ではオンラインとオフラインの医療システム建設を進めており、貧困者の医療問題に対応している。現在、県や郷レベルでの遠隔医療のカバー率は66%を超え、2020年にはすべての郷鎮(村)の衛生院で遠隔医療サービス網が実現する予定だ。新疆南部の4地区では村レベルの衛生所は5500か所建設されており、標準化率が87%を超え、今年の年末にはすべての村衛生所の標準化建設が完了する見込みだ。

 ムタリフ主任は、新疆では今後、医療衛生施設の建設に注力し、医療技術者の配置を改善、医療サービス能力を引き上げ、貧困者の医療のため、病院と医師と制度保障を確保していくと語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News