【10月18日 AFP】トルコは、同国がシリア北部で進める軍事作戦を5日間停止することで同意し、クルド人が率いる部隊が安全地帯から撤退し国境から離れることを条件に作戦を終了する意向を表明した。マイク・ペンス(Mike Pence)米副大統領とトルコ当局が17日、明らかにした。

 ペンス氏はトルコの首都アンカラで、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領らと会談した後に記者会見し、トルコの軍事作戦が「(クルド側部隊の撤退)完了後、完全に終了する」と表明した。

 ペンス氏はまた、米国が「今後120時間での秩序ある撤退を支援する」ためにクルド人勢力と協力すると説明。5日間の停戦中、米国はトルコに対し追加制裁は科さず、作戦終了後には最近発動した制裁を撤回する意向だと述べた。

 トルコのメブリュト・チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相も記者団に対し、クルド人部隊が同地域から撤退するまでの間の措置として、軍事作戦の停止に同意したと表明。「われわれは作戦を停止する。終了ではない」と説明。「(クルド部隊が)完全に一帯から撤退するまで作戦は終了しない」と述べた。

 チャブシオール外相はまた、今回の合意を「停戦」と呼ぶことを拒否。「これは停戦ではない。停戦は、2つの正当な当事者間で合意されるものだ」と語った。トルコはシリアのクルド人武装勢力「クルド人民防衛部隊(YPG)」について、トルコ国内で35年にわたり反政府闘争を繰り広げてきた非合法武装組織「クルド労働者党(PKK)」の傘下組織とみなしている。

  映像前半は会談に臨んだトルコのエルドアン大統領とペンス米副大統領。後半は軍事作戦の停止について同意したことを述べるペンス氏とトルコのチャブシオール外相。17日撮影。(c)AFP