【10月18日 AFP】ミック・マルバニー(Mick Mulvaney)米大統領首席補佐官代行は17日、ホワイトハウス(White House)がウクライナに対し、軍事支援の見返りとして、2016年の米大統領選でウクライナが民主党を支援したという疑惑の調査を求めていたことを認めた。ホワイトハウスはこれまで、見返りとしての調査要求を否定していた。

 この疑惑は、民主党全国委員会(DNC)がウクライナにコンピューターサーバーを隠していたというもの。事実ならば、ロシアがドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を当選させるため2016年大統領選に介入したとの疑惑を弱めるものになるが、根拠のない陰謀説だという見方が一般的だ。

 記者会見したマルバニー氏は、DNCの疑惑については米司法省が自ら調査していたと説明。米国が7月、ウクライナに約束していた4億ドル(約430億円)近くの軍事支援を凍結したのは、トランプ氏が腐敗国家への資金援助を望まなかったことが理由だと述べた上で、「彼(トランプ氏)がさらにDNCのサーバーに関する汚職行為を伝達したことについて私に言及したのかと聞かれれば、それはもちろんそうだ。間違いない」「資金援助を停止したのはまさにそれが理由だ」と述べた。

 マルバニー氏はさらに「これはわれわれが外交政策でいつもやっていることだ」「受け入れなさい。外交政策に政治的影響はつきものだ」と主張し、見返りとしての調査要求は何ら問題ないとの見解を示した。

 トランプ氏は、自身の政治的立場に利する調査の実施をウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領に求めた問題をめぐり米議会で弾劾調査の対象となっており、マルバニー氏の今回の発言は弾劾調査の追い風となるとみられる。(c)AFP