【10月18日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)のアダム・シルバー(Adam Silver)コミッショナーは17日、ヒューストン・ロケッツ(Houston Rockets)のダリル・モリー(Daryl Morey)ゼネラルマネジャー(GM)のツイートが発端となった中国との関係悪化で、「かなり」の損失を被っていると語った。

 モリーGMが香港の反政府デモを支持する内容の投稿をした後、NBAは提携関係にあった中国企業がスポンサーから撤退したり、同国でのテレビ中継が取りやめられたりする事態に直面している。

 シルバーコミッショナーは、ニューヨークで開かれた米誌タイム(Time)のイベントで、「これから、どうなるのか分からない」「経済的影響はこれまでのところ極めて大規模なものであり、今後も続く可能性がある」とすると、「すでにかなりの損失が出ている」「中国ではNBAの試合中継が再開されておらず、今後の様子を見守っていくことになる」と述べた。

 さらに、自分の意見を主張したモリーGMに関して、中国政府や企業関係者から解雇を要求されていることにも言及し、「中国政府をはじめ、関係機関や企業から彼の解雇を求められている」「われわれが話したのは、その可能性は皆無であり、彼を処罰することも絶対にないということだ」と明かした。

 NBAは当初モリーGMの発言に関して「遺憾だ」という言葉を使い、これが米国内では中国側に屈服したとの批判を受けた。これについて、シルバーコミッショナーは、「最初に遺憾という言葉を使ったが、それは中国ファンを怒らせてしまったという事実から方向がそれてしまった」と説明した。

「われわれは、ファンを怒らせてしまったことが遺憾だったのと同時に、ダリル・モリー氏には表現の自由、すなわちツイートする権利があることも支持していた。おそらく、私は外交的になろうと懸命になり過ぎたのだろう」 (c)AFP