【10月22日 東方新報】2日間にわたり行われた米中貿易協議が11日、米ワシントンで終了した。両国首脳間の重要な共通認識に基づき、農業、知財権保護、為替などの領域で実質的な進展をみせた。今後の日程についても協議が行われ、ともに最終的合意に向けて努力することで一致した。

 全世界の証券市場はこのニュースを好感し、株価は値上がりした。これは米中がウィンウィンの最終合意に達することへの期待を表している。今回実質的に進展のあった議題は、双方の共通認識が多い分野だ。

 例えば農業。中国は世界最大の農産品輸入国で、米国は世界最大の農産品輸出国だ。米国から一定量の大豆、豚肉などの農産品を輸入することは、米国側の貿易アンバランス解消の一助となるだけでなく、同時に中国の国内需要を補い、市場価格維持にも利するものだ。

 知財権保護の面では、中国にとっても知財権保護は中国経済の競争力強化につながるものであり、米国による知財権保護の要求は、中国の改革開放の方向と一致している。両国はこの問題でも利益が重なる。米国商工会議所(AmCham)が3月に発表した「国際知財権指数報告」では、中国はインターネット販売の環境改善、医薬品特許の取り締まりなどの面で優れた実績を残したと報じている。

 為替については、中国は国際的な場面で何度も市場が為替を決定する制度を堅持し、競争目的の為替引き下げは行わず、為替を貿易戦争など外部からの妨害に対抗するツールとして使わないことを表明してきた。この点でも、米国の関心と一致しており、両国は共通認識に達し、協議が早期に完了できたのも当たり前と言える。

 1年あまり行われてきた米中協議は、進展をみせたり後戻りしたりと反復はあったものの、包括的合意への試みから段階的協議に切り替えるなど、問題解決のための手法は理性的で着実な方法となってきた。相互尊重をベースに、意見の違いをうまく整理し、ウィンウィンの前提で進め、簡単な事柄から難しい問題へ、地に足をつけ一歩一歩進めることが有効な方法だということが双方とも分かってきたのだ。これは両国が最終合意に達するための新たな考え方であり、新しい道筋でもある。(c)東方新報/AFPBB News