【10月22日 AFP】カメラに向かってキスを交わす幸せそうなカップル──オフショルダーのドレスを身にまとい優美なブーケを持った花嫁と、そろいの白いスーツを着る新郎が、ピンク色の花がずらりと並ぶ芝生の上に並んで立っている。

 完璧な結婚式の思い出のように見えるが、この日は結婚式当日ではない。中国の若いカップルたちはむしろ、結婚式当日に華やかな写真を並べて飾るために、時間と資金を費やしている。結婚式前に入念に撮影される記念写真は今、中国で活況を呈するブライダル産業の一部だ。

 撮影のために海外や国内の観光スポットへ旅する余裕がないカップルのために、スタジオ「羅馬風情(Love Story in Rome)」のような企業は、さまざまな撮影用の背景や衣装、アクセサリーや撮影テーマを提供している。これらすべてが北京の複合施設内にある。カップルらは順番に、熱帯植物園や紅葉、滝や星空といったセットのある広大なスタジオの中で撮影をする。

 中国のブライダル産業は好調で、マーケティング調査会社AskCIは、その価値が年内に2兆2700億元(約34兆7000億円)規模に達すると予測している。

 映像は6月撮影。(c)AFP/Fred DUFOUR