【10月17日 AFP】2012年に米コネティカット州の小学校で銃乱射事件が起きたことを否定する本のせいで脅迫を受けたと犠牲となった児童の父親が訴えていた裁判で、米裁判所は15日、本の著者に45万ドル(約4900万円)の賠償金を支払うよう命じた。代理人らが16日発表した。

 コネティカット州のサンディフック小学校(Sandy Hook Elementary School)で2012年12月4日に起きた銃乱射事件では、児童20人を含む26人が死亡した。しかし、事件は政府による作り話だとするデマが広まり、2015年には「No one Died at Sandy Hook(サンディフックでは誰も死んでいない)」と題する本も出版された。

 犠牲となった児童の一人、ノア・ポズナー(Noah Pozner)君(当時6)の父親のレオナルド・ポズナー(Leonard Pozner)さんは、中傷的な内容のこの本のせいで殺害脅迫を受けたとして、本の著者のジェームズ・フェッツァー(James Fetzer)氏を相手取り賠償を求める裁判を起こしていた。

 ポズナーさんは事実の透明性を確保するために、息子の死亡証明書をインターネット上の追悼サイトで公開したところ、「偽造だとか詐欺だとかいった非難を受けた」と裁判で語った。対するフェッツァー氏は、ノア君の死亡証明書が偽造だという部分を含めて、自著に誤りはないと主張した。

 同州では過去にこの本の3か所について中傷だと認める判決が下されたことがあり、今回もフェッツァー氏に45万ドルの賠償が命じられた。

 陰謀論者らは、サンディフック小学校での銃乱射事件は、銃擁護派を失墜させようとするシナリオに基づきでっち上げられたものだと主張している。大量殺人否定論者のうち、ポズナーさんに殺害脅迫を行った女は、2017年に禁錮5月の判決を受けている。(c)AFP