【10月17日 AFP】シリア北部からの米軍撤収をめぐり16日、米ホワイトハウス(White House)で開かれたドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と議会指導部による会合で、トランプ氏がナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長を「三流の政治家」とののしり、ペロシ氏らが会合から退出する一幕があった。

 会合に出席した民主党上院トップのチャック・シューマー(Chuck Schumer)院内総務は、トランプ氏が会合中に民主党議員らを「激しく罵倒」し始めたと述べた。ペロシ氏は「残念だがトランプ氏は崩壊状態だった」と述べた。

 今回の激しいやり取りは、ペロシ氏が先月トランプ氏に対する弾劾調査を開始して以来劇的に悪化している両氏の関係を物語っている。

 シューマー氏はペロシ氏と共に会合から退席した後、「トランプ氏は、特にペロシ氏に対して侮辱的な態度で、三流政治家だとののしった」と証言。他の民主党および共和党議員らは部屋に残ったと付け加えた。

 ペロシ氏は、同日下院でシリアから米軍を撤収させたトランプ氏の決定を非難する決議が、共和党からも多数の賛成を得て可決されたことについて、トランプ氏が「非常に動揺して」いるように見えたと述べた。トランプ氏の米軍撤収決定に対しては、トルコによるシリア北部侵入とクルド人勢力への攻撃を事実上容認するものだとの批判が上がっている。

 一方、大統領報道官のステファニー・グリシャム(Stephanie Grisham)氏は、民主党議員らの見方を否定。トランプ氏は「慎重で断固たる態度だった」とし、ペロシ氏が退出したことについては「不可解だが、驚くべきことではない」と述べた。(c)AFP