【10月17日 AFP】スペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州のキム・トラ(Quim Torra)首相は16日、カタルーニャ独立派指導者9人への長期の禁錮刑判決に怒った抗議参加者らがバルセロナで治安部隊と相次ぎ衝突していることを受け、暴力を直ちに停止するよう呼び掛けた。

 同首相は衝突を明確に非難してこなかったが、スペイン中央政府のペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相はこの発言に先立ち、トラ氏を名指しして、暴力を「一切の譲歩なく明確に非難」するよう呼び掛けていた。

 カタルーニャ州では2017年、独立派の州政権が中央政府から禁止されていた住民投票を実施。一時独立を宣言したものの、州政府は解体され、州の自治権は停止された。

 スペインの裁判所は14日、独立派指導者12人のうち9人に対し、9〜13年の禁錮刑を言い渡したが、これに怒った人々が抗議行動を開始した。

 市中心部では16日夜、数千人規模の抗議行動の後に3夜連続となる衝突が発生。サンチェス首相はテレビを通じ、トラ氏に暴力を非難するよう訴えた。

 トラ氏はテレビ演説で、「街頭で現在起きているような出来事を容認することはない。直ちにやめる必要がある。車を燃やすなどの破壊行為はいかなるものであれ、合理性がなく、正当化されない」と述べた。

 同氏はまた、「抗議は平和的に行わなければならない」と呼び掛けるとともに、「大勢のカタルーニャ人のものと見なされる独立運動のイメージを損なうために潜入・扇動を行うような集団を認めることはできない」とした。