【10月16日 AFP】来年で107回目を迎えるツール・ド・フランス(2020 Tour de France)のコースが15日に発表され、29か所の山越えと個人タイムトライアルを含む5度の山頂フィニッシュというクライマー向けの設定となることが明らかになった。

 東京五輪を控えているため、例年より1週間早い6月27日に開幕する来年のツールでは、八つの山岳ステージと三つの丘陵ステージが用意されており、現王者であるチームイネオス(Team Ineos)のエガン・ベルナル(Egan Bernal、コロンビア)やそのチームメートであるクリス・フルーム(Chris Froome、英国)、グルパマ・FDJ(Groupama-FDJ)のティボー・ピノ(Thibaut Pinot、フランス)、アージェードゥゼル・ラ・モンディアル(AG2r - La Mondiale)のロマン・バルデ(Romain Bardet、フランス)らには適したコースとなるに違いない。

 平坦コースは九つあるものの、全長3470キロメートルの行程が山岳から離れることはほとんどない。

 大会ディレクターのクリスティアン・プリュドム(Christian Prudhomme)氏は、「29か所の山越えがある。全体を通して、肉体的に厳しいものになるだろう」とコメントした。「いわゆる平坦なコースでさえ、純粋なスプリンターにとって非常に難しいものになるはず。コースのいたるところにわながある」

 イネオスの代表を務めるデイブ・ブレイルスフォード(Dave Brailsford)氏はコース発表会でAFPの取材に応じ、恐れは感じていないと述べた。

「山が多いというよりは、私としては丘陵に富んでいるように思える。コースを見てみると、3週間のすべてにわたって難所がちりばめられている」「われわれは来年のツールに向け、非常に強力で徹底された素晴らしいチームを用意している。待ちきれない」

 ツールで4度の総合優勝を誇るフルームは、来年のコースに別の印象を抱いている。

「過去5年で見てきた中では、本当に最も難しいコース」

 6月に大腿(だいたい)部を骨折する大けがをしたフルームは、「山岳コースでは勝ったり負けたりするだろうが、そっちのほうが自分に合う」と続けた。「いずれにしても、出場できるかを明らかにするにはあと1か月かかる」 (c)AFP/Damian MCCALL