【10月16日 AFP】仏パリの中心部で15日、消防士数千人が人員と専門職としての認識の不足に抗議するデモを行った。事態は衝突に発展し、警官隊が催涙ガスや放水銃を使用した。

 笛やサイレン、煙などを使ったデモは、騒がしくも平和的に始まった。しかし事態はヒートアップし、主要道路を封鎖しようとした警官隊と衝突。警官隊は同じ緊急出動要員である消防士らに対し、催涙ガスや放水銃を使用した。

 デモに参加した南西部の消防士マティアス・ゴス(Mathias Gosse)さん(53)は、「われわれは出動回数に圧倒されているのに、消防士の数は減っている。すべてへの対応を求められており、救急車の代わりを務めることさえある。いつか対応しきれなくなる」と訴えた。

 消防士の労働組合は、消防業務手当を引き上げ、警察官の特殊勤務手当に沿ったものとするよう要求している。

 消防士らはデモの成功を祝い、参加者数を7000~1万人と発表した。一方、パリ警察は参加者数を7400人とした。

 フランス全土で消防業務に従事しているのは計24万7000人だが、消防士はわずか16%にすぎず、大多数を消防団員が占めている。(c)AFP