【10月16日 AFP】トルコ軍がシリア北西部でクルド人勢力を攻撃していることに関し、マイク・ペンス(Mike Pence)米副大統領とマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官は16日、停戦を求めるためトルコの首都アンカラに出発する。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が15日、明らかにした。

 トランプ大統領はホワイトハウス(White House)で記者らに対し、副大統領と国務長官が「あす出発する」と述べた。ペンス副大統領は14日にトルコ訪問を発表していたが、日程は示していなかった。

 トランプ氏は「われわれは停戦を求めている」としたほか、「想像し得る中で最も強力な制裁を科す」と述べた。

 米副大統領室の発表によると、ペンス氏は17日、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と会談し、事態が解決されるまでトルコに「経済制裁を科す」というトランプ大統領の姿勢を改めて伝える。

 トランプ大統領は今月、シリア北西部からの米軍撤退を突如決定。米軍の後ろ盾を得てイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」と戦ってきたクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」は、トルコ軍とシリア国内の親トルコ勢力に対抗するための支援を失い、追い込まれている。

 SDFは、トルコの攻撃が始まった先週以降、拘束下にあったIS戦闘員の親族数百人が逃亡したと発表しているが、トランプ大統領は、SDFが目的遂行の手段として意図的に逃がしたとの見方を示した。

 米副大統領室は「地域で進行中の暴力により、(IS掃討)作戦に著しい支障が生じ、民間人や地域の宗教的少数派が危険にさらされ、地域全体の安全保障が脅かされる」と指摘。「米政権は、地域安全保障と民間人の安全、ISIS(ISの別称)戦闘員の拘束継続を維持する決意だ」とした。(c)AFP