【10月15日 AFP】台風19号(アジア名:ハギビス、Hagibis)の上陸から15日で3日がたった。NHKの報道によると、15日朝までに判明した死者数は66人に上り、15人が行方不明となっている。現在も各地で救出・復旧活動が続けられている。

 15日は被災地の複数か所で終日雨が降ると予想されており、政府は警戒を強めている。菅義偉(Yoshihide Suga)官房長官は記者会見で、「これまでに降った大雨で、河川の水位が上昇するとともに地盤が緩んでいるところがある。国民の皆さんは油断することなく、引き続き土砂災害や河川の氾濫などに十分警戒をお願いしたい」と呼び掛けた。

 少なくとも176の河川で水が堤防を越えるのが確認されており、堤防が決壊した長野県の千曲川では近隣の住宅に濁流が流れ込み、新幹線が停車していた車両センターでは車両の窓まで浸水する被害が発生した。

 東京都や周辺の県など多くの場所で死者が出ており、12日夜に東京湾で沈没した貨物船の乗組員少なくとも7人の死亡も確認されている。また15日朝の時点で約3万4000戸が停電し、約13万3000戸が断水している。

 福島県も台風の影響を受け、原発事故の除染作業で出た土や草木などの廃棄物が入った袋が流された。

 環境省職員はAFPに対し、現場で保管されていた2667個のうち10個が川に流出し、うち6個を回収したと説明。残りの4個も発見しており、間もなく回収するとしている。同職員によると袋が破れたとの報告はなく、環境への影響などを懸念する必要はないという。(c)AFP/Kyoko HASEGAWA