【10月15日 AFP】ワールドラグビー(World Rugby)は15日、超大型の台風19号(アジア名:ハギビス、Hagibis)の影響でW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)のプール突破が懸かる試合が中止になった場合、法的措置も辞さないとしていたスコットランドチームの発言に関して、紛争委員会に持ち込む方針を示した。

 W杯統括責任者のアラン・ギルピン(Alan Gilpin)氏は、今回の動きに際し、「大会規定の下で、われわれは人々が適切な振る舞いをするよう細心の注意を払っている」と報道陣に語った。さらに、「その結果、われわれはスコットランドラグビー協会(SRU)の振る舞いと発言に関して、独立紛争委員会に委ねることにした」と説明する一方で、今回の騒動に関して、これ以上の発言は「不適切」であると述べた。

 台風19号の接近に伴い、決勝トーナメント進出が懸かっていた13日の日本対スコットランド戦が中止になる可能性が浮上すると、SRUのマーク・ドッドソン(Mark Dodson)CEO(最高経営責任者)は、試合がキャンセルになれば法的措置に出る可能性もあると警告。スコットランドが台風19号の「巻き添え被害」を受けるわけにはいかず、ラグビーファンが「融通の利かないワールドラグビーにすっかり驚かされている」と言い放った。

 日本戦が中止になって0-0の引き分け扱いとなれば決勝トーナメントに進めないことから、スコットランドは何としても試合の開催を望んでいた。結果的に試合は行われ、日本が28-21の歴史的勝利でプール突破を果たしたのに対し、スコットランドは早期敗退が決まった。

 ワールドラグビーのブレット・ゴスパー(Brett Gosper)CEOは、最終決定に至るまでに出された一部の発言に関して、「無益であり残念」と非難した上で、統括組織として加盟連盟との話し合いから影響を受けたりもしなかったと強調した。

「目の前に山積した問題を基に判断を下した。われわれは台風の可能性に備えていた。日本で台風が発生するのは何ら珍しいことではない。しかし、今回の台風は50年に一度の例外だった」「どうか理解してほしい。今回起きたことは異例であり、その中で大会側は見事な対応をした。台風の到来は予測していたが、規模は想定外だった」

 一方、ギルピン氏も「最終的には、当時も現在も決断は正しかったと確信している」と述べた。(c)AFP