【10月15日 AFP】スペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州政府が2017年に強行し失敗した独立の試みをめぐる裁判で、同国の最高裁判所は14日、当時の州政府幹部ら9人に対し長期の禁錮刑を言い渡した。判決を受け、同自治州バルセロナでは数千人が街頭で怒りのデモを行い、空港への通行を妨害した。

 スペインでは注目の判決を前に、数週間にわたり緊張が高まっていた。4年で4度目となる総選挙が1か月足らず先に迫る中で出された判決により、カタルーニャ問題が中心的な政治問題として浮上している。

 今年2月に始まった裁判では、12人の被告が2017年10月1日に強行された住民投票とその後に短命で終わった独立宣言に関与した罪に問われた。

 最も重い量刑を受けたのはウリオル・ジュンケラス(Oriol Junqueras)前州副首相で、禁錮13年が言い渡された。裁判では、カルレス・プチデモン(Carles Puigdemont)前州首相が訴追を免れるため国外に逃れていることから、ジュンケラス前州副首相が中心的な被告人となった。プチデモン氏は逃亡先のベルギーからツイッター(Twitter)で、判決を「非道」と非難した。

 バルセロナでは判決を受け、デモ隊が街頭に繰り出し、乗降客数で同国2位のエルプラット空港(El Prat Airport)に向かって行進。AFP記者によると、空港周辺ではデモ参加者が一時的に道路と鉄道を妨害。空港入り口では警察が空港内に入ろうとしたデモ隊に向かって突撃する場面もあった。スペイン空港・航空管制公団(AENA)によれば約20便がキャンセルされた。

 ペドロ・サンチェス(Pedro Sanchez)首相は「最高裁の決定を受け、われわれは対話を通じて(中略)ページをめくる必要がある」と表明。だがその直後、最高裁判事はプチデモン氏に対する国際逮捕状を再び出しており、海外に逃亡したプチデモン氏ら6人の追及を続けるスペイン当局の姿勢が鮮明となった。(c)AFP/Daniel BOSQUE with Hazel WARD in Madrid