【10月14日 AFP】欧州上流階級の伝統的な娯楽として知られる球技クロッケーが、ベトナムで高齢者たちの根強い人気を集めている。暇つぶしとエクササイズにもってこいのようだ。

 首都ハノイの外れに位置するソクソン(Soc Son)県にある仏教寺院の境内では、ほぼ毎日のように午後になると高齢者のグループがやってきて、ほのぼのとクロッケーを楽しむ姿が見られる。最高齢は93歳。

「クロッケーはたくさん動く必要がないし、頭の運動になる」とグループの一人、グエン・バン・トゥ(Nguyen Van Tuu)さんはAFPに語った。

 今日のベトナムでクロッケーを知る人は少ないが、ソクソン県では1996年に退職者向けレクリエーションとして県職員が紹介し、地元の高齢者の間に定着した。金属や木材を使った手作りのマレット(木づち)で、中国製の球を打っては素朴なスコアボードに得点を書き込む。

「皆、このスポーツにすっかりはまってしまった」と、退役軍人のリー・タイン・ドー(Le Thanh Do)さん(66)。「雨でプレーできないと、晴れの日が心底待ち遠しいよ」

 定年が男性60歳、女性55歳のベトナムには、満ち足りた晩年を模索する高齢者があふれている。エクササイズはシニア世代に人気の暇つぶしで、ハノイ市内の公園やジムは体を動かすお年寄りでいつもいっぱいだ。

 中でも「クロッケーは気持ちをリラックスさせてくれるんだ」とリーさんは話した。(c)AFP/Quy Le BUI