【10月14日 AFP】ラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)で、史上初となるW杯8強入りを果たした日本代表のジェイミー・ジョセフ(Jamie Joseph)ヘッドコーチ(HC)が、選手たちは週末の大型の台風で被害に遭った人たちのためにも歴史をつくりたいという思いで試合に臨んでいたことを明かした。

 開催国の日本は13日に行われたスコットランドとの大一番に28-21で勝利し、4戦全勝でプールAを突破した。しかし、集まった6万7000人の観衆がノーサイドの笛に沸く中、ジョセフHCはまず、台風の被害に遭った人たちを思いやった。週末に日本を直撃した台風19号(アジア名:ハギビス、Hagibis)では、猛烈な雨と風で停電や河川の氾濫が起こり、犠牲者も多く出た。またW杯の3試合も台風の影響で中止になった。

 ジョセフHCは「ラグビーの話をする前に、まずは台風で家族を亡くした方々にお悔やみ申し上げたい」と話した。

「台風のことがチームの大きなモチベーションになっていて、けさはみんなでそのことを話した。苦しい状況にある方々がたくさんいる中で、今夜は明るい話題を届けたかったから、選手たちは本当に試合をしたがっていた」「朝起きて、亡くなった方や行方不明の方がいることを知った。圧倒されてもおかしくない状況で、きょうは逆に、選手がそのことに奮起した」

 主将のリーチマイケル(Michael Leitch)も台風の犠牲者を悼み、「きょうの試合は、単純に僕らだけのものじゃないと思っていた」「苦しんでいる人がたくさんいて、その人たちのためにもという思いで全力でプレーした」と話しつつ、次の南アフリカ戦に目を向けた。

「準々決勝進出を決めたことで、目標を変えていく」「来週も良いゲームをして負けるためにフィールドへ出るつもりはない。勝つためにやる」

 日本は開幕戦のロシア戦に30-10で勝利すると、続く第2戦では強豪アイルランドを19-12で撃破。サモアにも38-19で勝利し、スコットランド戦の白星でアジアのチームでは初となるラグビーW杯のベスト8入りを決めた。20日の準々決勝では南アフリカと対戦する。(c)AFP/Alastair HIMMER