【10月13日 東方新報】社会主義の中国は「お堅い国家」のイメージが強いが、最近では「ミスコンテスト」がブームとなっている。世界中の美女が水着審査などで美しさを競う様子は、かつての中国と比べて隔世の感がある。

 9月22日~10月6日、山東省(Shandong)青島(Qingdao)で「2019ミス・ツーリズム・ワールド大会」が開かれた。67か国・地域から選ばれた美女たちが、各国の民族衣装やカクテルドレス、水着姿になり、豪華なステージで審査を受けた。グランプリに選ばれたのはメキシコ代表で、2位はカナダ代表、3位は中国代表だった。

 9月には内陸部の寧夏回族自治区(Ningxia Hui Autonomous Region)中衛市(Zhongwei)でも、「2019年シルクロード国際観光女性コンテスト」が開催され、33か国から42人の代表が参加。中国代表が栄冠に輝き、ベネズエラ代表が準優勝、赤道ギニア代表が3位になった。

 海外で本選が行われるミスコンの国内予選も活発だ。昨年12月には、北京で「ミス・インターコンチネンタル・チャイナ」の決勝戦が行われたが、全国でエントリーした女性は1万人。40人のファイナリストはチャイナドレスや水着姿で審査を受けた。

 海外に門戸を開き、経済の自由化を進める「改革・開放政策」が1978年に始まる前の中国では、女性も男性と同じように人民服に身を包み、女性が公の場で肌を見せるのは「ご法度」だった。改革・開放政策が始まって間もなく、外資企業が北京郊外に水着姿の女性の看板を掲げると、ずっと人だかりができていたというエピソードもある。

 それから約40年。都市では若い女性が欧米や日本と同じようにファッショナブルな服を着て、夏になればプールでビキニ姿を披露するようになった。水着姿に抵抗を感じる人もほとんどいなくなった。

 中国政府は現在、各国との経済関係を強化する「一帯一路(Belt and Road)」構想を推進している。ミスコンテストを報じる中国メディアが「世界の代表が集まったこの大会は、一帯一路構想を象徴している」と触れることもある。

 実際、国際的ミスコンテストを開くには、大会を運営する地元政府の力量、大金を投資するスポンサー企業、そしてイベントスタッフらの「おもてなし」マインドが必要だ。世界中の美女が中国に集まるミスコンは「世界に影響力を与える中国」をアピールする格好のステージとなっている。(c)東方新報/AFPBB News