【10月12日 AFP】米国反ドーピング機関(USADA)は11日、競泳男子の同国代表で通算2個の五輪金メダルに輝くコナー・ドワイヤー(Conor Dwyer)が、体内にテストステロンのペレット(錠剤)を埋め込んでいたと仲裁委員会から判断されたことを受け、ドーピング違反で1年8か月の出場停止処分を科されたと発表した。

 USADAは当初、2018年11月15日、同27日、そして12月20日の抜き打ち検査でドワイヤーが陽性反応を示したとして、4年間の出場停止処分を求めていた。しかし、米国仲裁協会(AAA)は、同選手が医師の忠告を信頼して股関節にテストステロンの錠剤を埋め込んだ事実を考慮し、処分期間は1年8か月が妥当であると判断した。

 仲裁委員会によれば、ドワイヤーは「治療は自身のメンタルヘルスのためのもので、その説明のされ方からしても、競技パフォーマンスの向上とは無関係だと考えていた」とされている。

 2012年ロンドン五輪の男子4×200メートルリレーで母国の優勝に貢献し、2016年リオデジャネイロ五輪でも同種目の金メダルと200メートル自由形の銅メダルを獲得したドワイヤーの処分は、仲裁委員会の決定が下る前に仮処分が出された昨年12月21日にさかのぼって適用される。 

 7月に開催された第18回世界水泳選手権(18th FINA World Championships)の出場を見送っていたドワイヤーは、処分解除が来年8月になるため、2020年東京五輪の選考会には出られない。仲裁委員会の決定が発表された直後には、自身のインスタグラム(Instagram)で現役引退を表明した。(c)AFP