【10月12日 AFP】ワールドラグビー(World Rugby)は11日、超大型の台風19号(アジア名:ハギビス、Hagibis)の影響でW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)のプール突破が懸かる試合が中止になった場合、スコットランド代表が法的措置も辞さない構えを見せていることは「残念だ」と批判した。

 こうした姿勢を見せるスコットランドに対しては、対戦する日本代表のジェイミー・ジョセフ(Jamie Joseph)ヘッドコーチ(HC)も強く非難し、両チームの指揮官は舌戦を繰り広げていたが、統括団体が特定のチームを叱責するのは極めて異例だ。

 12日にも関東に甚大な被害をもたらす可能性がある台風19号の影響で、13日に予定されているプールAの試合が中止になれば、スコットランドはW杯敗退に直面する。そうした中で、ワールドラグビーはスコットランドの姿勢に対し、「日曜日(13日)の試合を予定通り実施できるように全力を尽くしている中で、スコットランドラグビー協会(SRU)があのような発言をしたことは残念だ」とのコメントを発表した。

 ワールドラグビーは、台風19号が「1958年の後の日本では過去最強クラスで最も危険な台風」とされているとした上で、当日の試合が中止となった場合は引き分け扱いになるという大会規定に、スコットランド側は署名していたとも付け加えた。

 これに先立ち、SRUのマーク・ドッドソン(Mark Dodson)CEO(最高経営責任者)は、スコットランドが台風の「巻き添え被害」を受けるわけにはいかず、試合がキャンセルになれば法的措置に出る可能性もあると警告し、「(もう遅すぎるか)分からないが、われわれは異議を唱える必要がある。これは競技としての問題であり、世界中のラグビーサポーターが融通の利かないワールドラグビーにすっかり驚かされている」と英BBCラジオ(BBC radio)のインタビューで語っていた。

 試合は13日午後7時45分の開始予定だが、大会組織委員会は台風の影響を見極めてから開催可否を判断するとしている。日本はこの試合で勝利すれば、プール首位通過が決まる。(c)AFP/Talek HARRIS