【10月20日 東方新報】中国の国慶節は、また消費のピークを迎えた。米国との貿易戦争に直面しつつ、中国の国内消費は依然好調さを保ち、中国経済発展の最も重要な動力となっている。

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 政府発表のデータによると、10月1日から7日までの国慶節期間中、全国の小売り・飲食業の売上額は前年同期比で8.5%増、観光客受け入れはのべ7億8200万人と前年同期比7.81%増、観光業収入は6497億1000万元(約9兆8800億円)と前年同期比8.47%だった。

 国慶節期間中の消費にはいくつかの特徴がある。第一に、消費増加の勢いが明らかで、ショッピングや飲食などの伝統的な消費の質が向上したほか、観光や文化などの新たな消費が加わり、多くの国民から歓迎された。例えば、国慶節中の映画の興行収入は50億5000万元(約770億円)、前年同期比で86.42%増を記録し、各地の博物館、科学技術館、展覧館などにも見学客が訪れた。

「夜間エコノミー」などの新業態も経済に新たな活力を与えている。中国銀聯(China Union Pay)によると、国慶節に入る前の6日間の午後10時から翌午前6時までの飲食消費額は、前年同期比で54.9%増となり、飲食業平均の40.3%増加幅を上回り、中国経済の新たな増加点を切り開いた。

 消費が活発な原因は、主に国民の強い消費力と消費意欲、製品とサービスの質的向上などと密な関係がある。今年上期の国民の可処分所得は1万5294元(約23万3000円)、物価要素を控除した実質成長率は6.5%増だ。ミドルクラスの所得者は4億人おり、その安定拡大が消費を支えている。また、2018年の企業の研究・開発投資の全社会の開発費に占める比重は70%を超え、企業製品とサービスの質的向上は消費者から歓迎されている。

 政府は近年、消費市場の安定のため、多くの行政措置を打ち出している。教育、高齢者介護、医療などのサービス業の発展と消費環境の改善を加速し、個人所得税控除政策を実行することで消費能力を強化してきた。2018年には、消費は5年連続で経済成長の最大動力だった。今年上半期の消費の中国経済成長への貢献度は60.1%に達した。現在、世界経済が下降し、貿易保護主義が広く行われる中、消費は中国経済の継続発展のけん引力となり、中国経済が受ける外部からの影響を食い止める支えとなっている。(c)東方新報/AFPBB News