仏の邦人留学生不明事件、チリに容疑者の引き渡し要請へ
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【10月11日 AFP】フランス東部ブザンソン(Besancon)で日本人留学生の黒崎愛海(Narumi Kurosaki)さんが2016年から行方不明になっている事件で、地元検察は10日、黒崎さん殺害の容疑が掛けられている元交際相手のチリ人の男の身柄の引き渡しをチリに要請する手続きに着手したと発表した。
黒崎さんは21歳だった2016年、元交際相手のニコラス・セペダ・コントレラス(Nicolas Zepeda Contreras)容疑者(28)と夕食を共にした後、行方不明となった。
捜査当局は、セペダ容疑者が嫉妬による怒りに駆られて黒崎さんを殺害したとみているが、大掛かりな捜索にもかかわらず、遺体は見つかっていない。
ブザンソンのエティエンヌ・マントー(Etienne Manteaux)検事は、34か月にわたる捜査の結果について説明した上で、セペダ容疑者がフランスで裁判にかけられることを願っていると述べた。
マントー氏によると、検察はセペダ容疑者の身柄引渡しをチリに求める手続きに入った。近くフランス政府を通じて正式に要請することになる。
チリ政府は自国民を国外で裁判にかけることに難色を示しており、マントー氏はこれまでにも「数々の障害」に直面してきたことを認めている。
チリ政府が要請を拒んだとしても被告人不在で裁判を行う構えだが、マントー氏は被告人不在での裁判について、「間違いなく不満足」なものになるとの見解を示した。(c)AFP/Angela SCHNAEBELE with Clare BYRNE in Paris