■送還プロセスの確立を

 だが、これら2人の容疑者以外にも、極めて危険とされるIS戦闘員は数多く存在している。外国人戦闘員の出身国では、自国でこうした戦闘員の裁判を行うことで、ISの新たな攻撃を国内に呼び込んでしまうとの考えが根強く残っている。事実、フランスは自国出身のIS戦闘員の一部を裁判のためイラクに引き渡している。

 トランプ氏は報道陣に対し「われわれも彼らを引き受けたくないと言ったが、誰かが監視しなければならない」「お願いがある。自国民をそれぞれの国で引き取ってほしい」と語った。

 国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)の特別報告者フィヌアラ・ニー・イーレン(Fionnuala Ni Aolain)氏は、問題解決には外国人戦闘員送還の組織的なプロセスを確立しなければならないと指摘する。

「個人にシリアとイラクで行われた組織的な重罪の責任を課すには、効果的な送還プロセスが唯一の有意義な方法だ」 (c)AFP/Paul HANDLEY