【10月10日 AFP】オーストラリアにある世界最大級の一枚岩「ウルル(Uluru)」(英語名「エアーズロック、Ayers Rock」)への登山が今月26日に禁止されるのを前に、ウルルに登ろうと観光客らが大挙する事態となっている。

【関連記事】豪「エアーズロック」、19年から登山禁止に 「ディズニーランドではない」(2017年11月)

 数百人にも上る観光客らがウルルに登っている写真に、ソーシャルメディア上では批判が噴出。ウルルを所有する先住民アボリジニのアナング(Anangu)人の願いに反する行為であり、「無神経」だといった声が上がっている。

 10月26日は、ウルルの所有権がアナング人に返還された記念日。関係当局者らは同日からの登山禁止について、先住民の文化風習の尊重、さらなる環境破壊からの保護、観光客らの安全確保の観点から決定したと説明している。

 豪国立公園を管轄するパークス・オーストラリア(Parks Australia)によると、ウルルのある「ウルル・カタ・ジュタ国立公園(Uluru-Kata National Park)」には、今年6月までの1年間に前年比で約2割増の39万5000人以上が訪れ、このうち13%がウルルに上ったという。

 直近の統計はまとまっていないが、豪中部の観光情報を提供する「ツーリズム・セントラル・オーストラリア(Tourism Central Australia)」のスティーブン・シュワー(Stephen Schwer)代表取締役(CEO)はAFPに、同地を訪れる観光客数は、この数週間で「目立って急増した」と語った。

 シュワー氏は、ウルル登山を控えるよう呼び掛けているにもかかわらず、特に日本からの観光客や休暇中に車で同地を訪れるオーストラリア人に登山希望者が多いと指摘している。(c)AFP/Holly ROBERTSON