【10月10日 AFP】貧困層に無担保小口融資を行うグラミン銀行(Grameen Bank)の創設者で、ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者のムハマド・ユヌス(Muhammad Yunus)氏(79)に対し、バングラデシュの裁判所が逮捕状を出したことが10日、分かった。従業員の解雇をめぐる出廷命令に応じなかったためという。

 司法筋によるとユヌス氏は、会長を務める情報技術会社グラミン・コミュニケーションズ(GC)の元従業員から、労働組合の設立を理由に解雇されたとして訴えられている。首都ダッカの裁判所が9日、ユヌス氏に逮捕状を出したという。

 AFPの取材に応じたこの司法筋は、ユヌス氏は海外におり出廷しなかったと説明。GCの最高経営責任者(CEO)と経営幹部1人は出廷し、保釈を認められたと述べた。一方、ユヌス氏の弁護人によれば、同氏の出国前に出廷命令は出ておらず、帰国次第、適切な法的手続きを取るつもりだという。

 経済学者のユヌス氏は、1983年にグラミン銀行を創設。地方の貧困地域の人々が自ら小規模ビジネスを立ち上げる際に無担保小口融資を提供した功績で、2006年にノーベル平和賞を共同受賞した。

 しかし、ユヌス氏は一時政界入りした2007年以降、バングラデシュのシェイク・ハシナ・ワゼド(Sheikh Hasina Wajed)首相と対立している。2011年にグラミン銀行総裁を解任されたのも、ハシナ氏が背後で動いていたとみられている。

 ユヌス氏は総裁解任に異議を唱え、最高裁まで争ったが敗訴。グラミン銀行は現在、ハシナ氏が指名した経営陣によって運営されている。(c)AFP