【10月9日 AFP】(更新、写真追加)トルコは9日、シリア北部のクルド人勢力に対する軍事作戦を開始した。国境地帯では空爆や砲撃に続き地上部隊が越境作戦を開始。数千人の住民が避難しているほか、在英NGOのシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によるとトルコ軍の爆撃により民間人8人を含む少なくとも15人が死亡した。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領はツイッター(Twitter)で、「平和の春作戦」と銘打った攻勢の開始を発表。トルコ国防省によると、同国軍は同日夜に地上作戦を開始した。一方、クルド人を主体とする民兵組織「シリア民主軍(SDF)」の報道官はツイッターへの投稿で、テルアビヤド(Tal Abyad)でトルコ軍が実施した地上作戦はSDFによって撃退されたと発表した。

 AFP記者によると、トルコ国境沿いのラスアルアイン(Ras al-Ain)では砲撃が実施され、戦闘機が上空を飛行する中で爆発が発生した。現地では、ロケット弾発射機で武装したSDF戦闘員らが展開する様子が見られたほか、クルド当局が民間人に対し攻撃から身を守るよう呼び掛けた。

 シリア人権監視団によると、民間人死者のうち2人はカミシリ(Qamishli)で行われた砲撃によって死亡した。SDFは国際社会に対し「差し迫った人道危機」から人々を守る措置として、飛行禁止区域を設定するよう要請した。

 トルコ軍の作戦開始を受け、SDFと共にイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」掃討作戦を進めてきた西側諸国からは批判の声が上がっている。

 エルドアン大統領は今回の軍事作戦について、クルド人組織とISの両方を標的にしたものだと説明している。またトルコ政府は、国内のクルド人反政府勢力とつながりのあるSDFの勢力を弱めるために必要なものだと主張。加えて、8年にわたり続くシリア内戦を逃れトルコで暮らす難民約360万人の一部の送還先として、シリア側に「安全地帯」を設置する目的もあると説明している。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は6日、これまで緩衝地帯となってきたトルコ・シリア国境周辺から米軍を撤退させると発表。この決定はトルコによるシリアのクルド人攻撃を容認するものとして広く受け止められているが、トランプ氏は米国と同盟関係にあるクルド人勢力を見捨てたわけではないと強調している。(c)AFP