【10月7日 AFP】タイ北東部のカオヤイ国立公園(Khao Yai National Park)で、野生のゾウ6頭が滝に落ちて水死した。付近の岩場では、滝に落ちた仲間を助けようとして身動きが取れなくなっていた2頭が救助された。当局が5日、明らかにした。

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 タイ国立公園・野生動物・植物保全局(DNP)によると、5日午前3時(日本時間同5時)、ゾウが助けを求めて「泣き叫んでいる」との通報が公園当局に寄せられた。

 数時間後、「地獄の淵(Haew Narok)」と呼ばれる滝の底で、ゾウ6頭の死骸が見つかった。

 滝の上の滑りやすく狭い岩場では、転落した仲間を助けようとしている様子の2頭が身動きが取れなくなっていた。映像には、この岩場に必死で戻ろうとする1頭が映っていた。

 公園職員らは、ゾウがはい上がって森に戻るための元気と体力を取り戻せるよう、栄養剤を混ぜた餌を投げ与えた。

 岩場にいた2頭は救助されたが、憔悴(しょうすい)しきっていたという。

 DNPの報道官は、「ゾウが転落した真相を確実に言い当てることは誰にもできないが、現地では前夜、激しい雨が降っていた」とAFPに語った。

 救助活動の間、滝への観光客の立ち入りは禁止された。

 タイでゾウは国獣とされ、一部地域に野生で生息しているが、その数はわずか数千頭にまで減少している。(c)AFP