【10月7日 AFP】旧ユーゴスラビアのコソボで6日、総選挙が実施され、過去10年以上にわたって同国の政治を支配してきた与党・コソボ民主党(Democratic Party of KosovoPDK)の得票を、2野党が上回る結果となった。

 選挙管理委員会によると開票率が4分の3を超えた時点で、左派民族主義の新興政党「自己決定運動」(Vetevendosje)が得票率26%でトップに立ち、次いで中道右派のコソボ民主同盟(Democratic League of KosovoLDK)が25.2%で2位となった。

 野党2党の勝利は、1990年代にセルビアに対し蜂起し、コソボ独立への道を開いたゲリラ組織「コソボ解放軍(Kosovo Liberation ArmyKLA)」の元指導者らが率いてきた与党PDKにとって大きな打撃となった。

 2007年から政権を握ってきたPDKの党首で、ハシム・サチ(Hashim Thaci)大統領と密接な関係にあるカドリ・ベセリ(Kadri Veseli)国会議長は、「われわれは勝利しなかった。国民の審判を受け入れ、PDKは野党に転じる」と表明した。

 絶対多数を確保した政党はなく、最大の得票率を得た政党が新内閣結成の役割を担う。勝利した野党2党は、PDKを野党として抑え込むために連立を組む必要があるとみられる。自己決定運動とLDKは、政治イデオロギーの面で一致する部分が少ないが、すでに連立政権樹立に向けた協議を行っている。(c)AFP/Ismet HAJDARI and Sally MAIRS with Tanja VUJISIC in Mitrovica