【10月6日 AFP】イラクでは5日間続いている反政府デモと治安部隊の衝突による死者が、デモ参加者を中心にほぼ100人に増えた。国連（UN）は5日、事態の収拾を呼び掛けた。

　デモは首都バグダッドで今月1日に始まり、その後イラク南部に拡大した。国会人権委員会によると、デモ開始以来の死者は少なくとも99人、負傷者は4000人近くに上っている。

　若い男性を中心としたデモ参加者らは、政党や宗教組織とのつながりは一切ないと主張するとともに、歩み寄りを図った国会議長の発言をあざ笑っている。

　当初は雇用や公共サービスの改善を要求していたデモ隊は政府の打倒を叫ぶようになり、バグダッドやイラク南部のさまざまな場所で夜まで続いた。複数の目撃者によると、バグダッドの東では治安部隊が強制排除に乗り出し、デモ参加者らに向かって催涙弾や実弾を発射した。
　
　国連イラク支援団（UNAMI）のジャニン・ヘニス・プラスハルト（Jeanine Hennis-Plasschaert）代表は、「死傷者が5日間報告されている。こうした事態は終わらせなければならない」と語った。また、衝突で「人命が無意味に失われている」として、背後にいる者たちの責任追及が必要だとの考えを示した。

　当局は、群衆に向かって発砲した者が複数いるとして、住宅地区で捜索を行っていると明らかにした。(c)AFP/Maya Gebeily