【10月6日 AFP】ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相は5日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)に関する「最終」協定案を受け入れてもらおうとEU加盟諸国の首脳との電話会談を開始したが、早急な「修正」を迫られた。

 EU議長国(半年交代の輪番制)フィンランドのアンティ・リンネ(Antti Rinne)首相によると、「1週間以内に解決策を見いだすことが重要だ」と伝えたところ、ジョンソン氏は「その期限に同意した」という。

 オランダのマルク・ルッテ(Mark Rutte)首相兼総務相はツイッター(Twitter)でジョンソン氏との電話会談を行い、「英国側の協定案には重要な問題が残っている」、10月17~18日に行われる重要なEUサミット(首脳会議)の前に「片付けなければならない仕事が山積みだ」と伝えたことを明らかにした。EUサミットでブレグジットについて、合意ある離脱、合意なき離脱、あるいは離脱の延期のどれになるかが決まる。

 2日に公表された最終協定案にEU側が冷ややかな反応を示す中、ジョンソン氏は他のEU加盟国の首脳とも電話会談を行うとみられる。

 欧州委員会(European Commission)の報道官は4日、最終協定案は「協定締結の基礎となるものではない」と強調した。

 ブレグジット交渉で重要な役割を担っている英国のデービッド・フロスト(David Frost)欧州担当補佐官とEU側の首席交渉官であるミシェル・バルニエ(Michel Barnier)氏率いるチームが4日に会談したが、進展なく物別れに終わった。英国側は週末も協議することを強く求めたが、週明けの7日に再開されることになった。

 ジョンソン氏は5日、最終協定案を「必要な譲歩を盛り込んだ実質的な妥協案」と呼んだ。

 しかしブレグジット支持派の大衆日曜紙サンデー・エクスプレス(Sunday Express)と大衆朝刊紙サン(Sun)は6日、ジョンソン氏が今度はEU側が「英議会が支持することのできる協定を結ぶ意思」を示さなければならないと述べたと報じた。

 両紙によると、ジョンソン氏は「EU側は勘違いや誤解をしてはいけない」「これ以上の迷いや遅れはない。10月31日、わが国はブレグジットを決行する」と述べたという。(c)AFP/Marc BURLEIGH