【10月5日 AFP】米労働省は4日、9月の雇用統計を発表し、失業率が50年ぶりの低水準を記録した。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領による貿易戦争が続く中、景気後退の懸念は依然として和らげられていないにもかかわらず、ホワイトハウス(White House)はこの結果を評価している。

 雇用統計によると、失業率は前月の3.7%から3.5%に0.2ポイント低下。1969年12月以来の低水準で、アナリストの予測よりもはるかに低い数字となった。

 しかし、芳しくないニュースもある。9月の雇用創出数は13万6000人と予想を大きく下回り、雇用創出ペースは過去4か月間で最低を記録した。

 8月の雇用創出数は、当初の発表から4万人近く上方修正され、16万8000人となった。だが、雇用創出ペース減速の兆候は明らかで、雇用創出数の過去3か月間の平均は15万7000人と、昨年の月平均の22万3000人を大きく下回っている。製造業の雇用者数も、今年2回目となる減少を記録した。

 賃金も下落しており、9月の平均時給は0.01ドル(約1円)減の28.09ドル(約3004円)だった。エコノミストの予想を大きく下回り、1年続いた堅調な成長傾向に終止符が打たれた。

 また、ドル高と世界経済の減速、貿易戦争が輸出成長に及ぼす影響を受けて、8月の貿易赤字は拡大した。

 しかしトランプ大統領は、雇用創出数に関する好調な統計を評価し、「速報:失業率が3.5%、50年ぶりの低水準だ。やったな米国、さあ大統領を弾劾してみようじゃないか(潔白にもかかわらず)」とツイッター(Twitter)に投稿している。(c)AFP/Douglas Gillison