【10月5日 AFP】第17回世界陸上ドーハ大会(17th IAAF World Championships in Athletics Doha)は4日、各種目の決勝が行われ、女子400メートルハードルでは米国のダリラ・ムハンマド(Dalilah Muhammad)が世界新記録の52秒16をマークして優勝した。

 29歳のムハマンドは、同胞のシドニー・マクラフリン(Sydney McLaughlin)を銀メダル、ジャマイカのラッシェル・クレイトン(Rushell Clayton)を銅メダルに抑えて金メダルに輝いた。

 7月には52秒20の世界最高記録をたたき出し、これで歴代1位の記録を樹立するのは今年で2度目となるムハマンドは、「とにかく世界タイトル獲得を心から望んでいたけれど、再び世界記録を破ることができたのは最高」と喜んだ。

 一方、珍しく客席が埋まったハリーファ国際スタジアム(Khalifa International Stadium)でこの日最も会場を沸かせたのは、山あり谷ありの展開の中で男子走り高跳びを制したムタズ・エサ・バルシム(Mutaz Essa Barshim、カタール)だった。

 地元の声援を受けた28歳のバルシムは、2メートル33を2回失敗して追い詰められた後、最後の3回目にようやくバーをクリア。最終的には2メートル37で優勝し、ともにロシアから中立の立場で大会に出場しているミハイル・アキメンコ(Mikhail Akimenko)を2位、イリヤ・イバニュク(Ilya Ivanyuk)を3位に抑えた。

 男子400メートルでは、バハマのスティーブン・ガーディナー(Steven Gardiner)が43秒48で優勝し、ハリケーン「ドリアン(Dorian)」で壊滅的な被害を受けて復興途中にある母国に感動的な勝利をささげた。

 コロンビアのアントニー・サンブラノ(Anthony Jose Zambrano)が44秒15で銀メダルを獲得する一方で、米国のフレッド・カーリー(Fred Kerley)は44秒17で銅メダルに終わり、100メートル、200メートル、そして800メートルに続く同国の金メダル獲得はならなかった。

 男子3000メートル障害では、ケニアのコンセスラス・キプルト(Conseslus Kipruto)が今季世界最高記録の8分1秒35で優勝。エチオピアのラメチャ・ギルマ(Lamecha Girma)は8分1秒36の僅差で銀メダル、モロッコのソフィアン・エルバカリ(Soufiane Elbakkali)が8分3秒76で銅メダルを手にした。

 24歳でリオデジャネイロ五輪金メダリストのキプルトは、最終障害までに全力を尽くしたが、最後に爆発的なスパートでギルマとほぼ同時にフィニッシュすると、逆転勝利を飾った。ギルマは、エチオピアの国内最高記録を塗り替えている。

 女子円盤投げでは、キューバのヤイメ・ペレス(Yaime Perez)が主要大会で悲願の金メダルに輝いた。

 28歳のペレスは、これまで五輪や世界選手権でメダルを獲得したことがなく、世界陸上の自己最高成績は2015年と2017年の4位となっていた。しかしながら、この日は5回目に69メートル17を記録して優勝に手が届いた。

 同胞のデニア・カバレロ(Denia Caballero)が68メートル44で銀メダルを獲得。通算2度の五輪タイトル獲得を誇り、世界陸上3連覇を目指していたクロアチアのサンドラ・ペルコビッチ(Sandra Perkovic)は、66メートル72で銅メダルに終わった。(c)AFP/Rob Woollard