パリ警察襲撃、対テロ検察が捜査 犯人に過激思想か
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【10月5日 AFP】フランスのパリ警視庁で、職員の男が刃物で警察官ら4人を殺害した事件で、仏捜査当局は4日、捜査を検察のテロ対策部門に移した。複数の検察筋がAFPに明らかにした。
3日に起きた事件では、警視庁情報部のIT職員のミカエル・H(Mickael H)容疑者(45)が30分にわたり凶行に及び、男性警官3人と女性事務職員1人が死亡し、2人が負傷。男は警官によって射殺された。パリ警視庁は、歴史的建築物が集まる市中心部に位置し、すぐそばにはノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)がある。
容疑者はカリブ海(Caribbean Sea)の仏領マルティニク(Martinique)島生まれで、約1年半前にイスラム教に改宗。聴覚に部分的な障害があった。
情報筋によると、容疑者の所属はイスラム過激派に関する情報収集を担当する部署で、予備捜査の結果、容疑者が過激思想に傾倒していた可能性があることが示された。ただ、パリ郊外シャルル・ドゴール空港(Charles de Gaulle International Airport)近くの低所得地域にある容疑者宅の捜索では、過激宗教思想が動機だった証拠は見つからなかったという。
捜査関係者らは、職場でのトラブルが動機だった可能性もあるとしている。容疑者と一緒にパリ郊外ゴネス(Gonesse)のモスク(イスラム礼拝所)に通っていた地元イスラム団体の幹部は、容疑者が「障害があるためにキャリアが前進しないと不満をこぼしていた」と語った。(c)AFP/Gregory DANEL and Benjamin LEGENDRE